この記事のポイント
- 申請前の準備から付与までの流れを、順番どおりに把握できる
- 文書審査・現地審査で何を見られるかが分かる
- 期間の目安と、期間が延びやすいポイントが分かる
はじめさん


Pマーク取得の全体像(先に結論)
Pマークの取得は、大きく次の4段階で進みます。
- 準備:個人情報保護マネジメントシステム(PMS)をつくり、1回以上運用する
- 申請:業種や所在地で決まる審査機関に申請する
- 審査:文書審査と現地審査を受け、指摘があれば改善する
- 契約:付与適格と決まったら、JIPDECと付与契約を結ぶ
JIPDECによると、準備から取得までの期間はおおむね6か月〜1年です(プライバシーマークとは)。以下では、JIPDECに申請する場合の流れを説明します。ほかの審査機関に申請する場合は、手続きや期間が異なることがあります。
申請前の準備
申請資格を確かめる
まず、自社が申請できるかを確かめます。主な条件は次のとおりです(申請資格)。
- 国内に活動拠点を持つ事業者であること(付与は法人単位)
- 社会保険・労働保険に加入した正社員、または登記上の役員(監査役を除く)が2名以上いること
- 欠格事由に当てはまらないこと
2名以上が必要なのは、PMSに「個人情報保護管理者」と「個人情報保護監査責任者」が1名ずつ必要なためです。申請担当者、個人情報保護管理者、個人情報保護監査責任者は、自社の従業者から選びます(新規申請をお考えの方へのご案内)。
個人情報保護マネジメントシステム(PMS)を作る
次に、JIPDECの「構築・運用指針」(JIS Q 15001:2023準拠)に沿って、PMSの内部規程と様式をつくります。
JIPDECは、内部規程に最低限定める内容として、次のような項目を挙げています(形式審査~文書審査)。
- 個人情報を特定する手順
- 個人情報保護のリスクアセスメントとリスク対策の手順
- 個人情報の取得・利用・提供、適正管理のルール
- 本人からの開示等の請求、苦情・相談への対応
- 教育、点検、是正処置、マネジメントレビュー
- 緊急事態への準備と対応、内部規程に違反したときの罰則
規程の構成や名前は、上の項目どおりでなくてもかまいません。自社の業務に合わせてつくります。PMSそのものについては「PMSとは」で説明しています。
PMSを1回以上運用する(教育・内部監査・見直し)
規程ができたら、実際に運用します。申請の時には、規程類と、PMSを運用した記録を提出します。
そのため、計画(P)、実施(D)、点検・評価(C)、改善(A)のサイクルを、少なくとも1回以上実施しておく必要があります。JIPDECは「体制の整備や規程類の策定だけでは、申請はできません」と明記しています(新規申請をお考えの方へのご案内)。



申請先の審査機関を確かめる
申請先は、業種や本社の所在地によって決まります(申請先)。
- 保健・医療・福祉分野の事業者は、医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)
- 指定の業界団体の会員等は、その団体の審査機関
- 本社が北海道、東北、中部、近畿、中国・四国、九州の地区にある事業者は、地域の審査機関
- 上のどれにも当てはまらない場合は、JIPDEC






Pマークの取得・更新でお困りなら、まずはご相談ください。
申請から付与までの流れ
JIPDECに申請する場合、申請はオンライン(Pマークポータルサイト)か郵送で行います(新規申請方法)。
申請と形式審査
申請後、申請料の入金が確認されると、申請書類に不備がないかを見る「形式審査」と、業種・規模の判断が行われます。書類の修正や追加の提出を求められることもあります。受理されると、受理した旨と業種・規模が連絡されます。
文書審査
文書審査では、提出したPMS文書(内部規程・様式)が構築・運用指針に合っているかが審査されます。主に見られるのは次の2点です(形式審査~文書審査)。
- 内部規程が構築・運用指針に合っているか
- すべての従業者が内部規程を守るための、具体的な手順や手段が決まっているか
文書審査の結果は、現地審査までに知らされます。不備があった点は、現地審査までに改善しておきます。
現地審査
文書審査が終わると、審査員が会社を訪れて現地審査を行います。PMSのとおりに体制が整い、運用されているかを確かめる審査です(現地審査)。
現地審査は、おおむね次の流れで進みます。
- トップインタビュー:代表者に、事業内容、申請の動機、個人情報保護方針、体制、マネジメントレビューなどを確認する
- PMS運用状況の確認:申請担当者や個人情報保護管理者などに、業務ごとの個人情報の特定、リスクアセスメント、安全管理措置、教育、内部監査の状況を確認する
- 現場での確認:個人情報を扱う執務室などで、安全管理措置が実施されているかを確認する
- 総括:改善が必要な点(指摘事項)を確認し、説明する
運用の記録や規程類の提示を、その場で求められることがあります。あらかじめ準備しておきましょう。






審査で見られる点は「Pマークの審査で見られるポイント」で詳しく説明しています。
指摘事項の改善
指摘事項があると、現地審査の後に指摘事項文書が届きます。文書に書かれた日付から3か月以内に、改善の証拠を添えて改善報告書を提出します(現地審査)。
審査会での決定と付与契約
文書審査と現地審査の結果をもとに、審査機関の審査会でPマーク付与の適格性が決まり、結果が通知されます。付与適格と決まった事業者は、JIPDECとプライバシーマーク付与契約を結ぶことで、Pマークの付与を受けられます(審査結果の連絡)。付与契約の後、付与登録料の入金が確認されると、付与の登録と公表が行われます。
取得までの期間の目安
準備から取得まで概ね6か月〜1年
JIPDECは、準備から取得までの期間をおおむね6か月〜1年としています(プライバシーマークとは)。
申請した後については、JIPDECがモデルスケジュールを公表しています(新規申請方法)。期間はあくまで目安で、申請の状況などによって変わります。
| 段階 | 期間の目安 |
|---|---|
| 申請から現地審査まで(形式審査、現地審査日の調整、文書審査を含む) | 3か月 |
| 現地審査から付与登録まで(審査会、付与契約を含む) | 3か月+指摘事項の改善にかかる期間 |
各段階にかかる期間は、申請の時期や審査機関によって異なります。申請する審査機関に、申請前に確かめておきましょう(新規申請をお考えの方へのご案内)。
期間が延びやすいポイント
JIPDECが示している手続きから、期間が延びやすいのは次のような場面です。
- 申請前の運用が足りない:PDCAを1回以上回した記録がそろうまで、申請できません。
- 文書審査の不備を直しきれていない:不備は現地審査までに改善し、現地審査で改善状況が確認されます。
- 指摘事項が多い:改善報告書の提出まで、最長で3か月の期間が加わります。
- 審査料の振込が遅れる:審査料と現地審査の交通費などは、現地審査の後に請求されます。振込がない間、審査機関は審査を中止できます(現地審査)。



監修者のひとこと
Pマークの取得には、最低でも6ヶ月程度かかります。申請までに、最低1回は教育、内部監査、マネジメントレビューを実施する必要があります。また、現地審査にて指摘が多いと改善に時間がかかり、思ったより時間がかかることがあります。
費用がかかるタイミング
Pマークの付与にかかる費用は、申請料、審査料、付与登録料の3つに分かれています(新規申請をお考えの方へのご案内)。JIPDECのモデルスケジュールでは、支払いは次の時期です。
- 申請料:申請の後、形式審査の前
- 審査料(現地審査の交通費・宿泊費を含む):現地審査の後、審査会の前
- 付与登録料:付与契約の手続きの後
金額は事業者の規模によって異なります。また、Pマークの付与に関わる料金は2026年10月1日に改定されました(料金改定のお知らせ)。金額は「Pマーク取得の費用」でまとめています。
一部の自治体には、中小企業のPマーク取得費用を補助・助成する制度があります。対象の自治体はJIPDECの新規申請をお考えの方へのご案内に一部が載っているので、自社の地域の自治体にも確かめてみてください。
まとめ
- Pマークの取得は、準備、申請、審査、契約の順に進みます。
- 規程を作るだけでは申請できません。PDCAを1回以上回し、その記録をそろえてから申請します。
- 審査は、文書審査と、代表者へのインタビューを含む現地審査の2つです。
- 準備から取得まではおおむね6か月〜1年です。申請後は、モデルスケジュールで3か月+3か月に、指摘事項の改善期間が加わります。
- 費用は申請料、審査料、付与登録料の3つで、支払う時期がそれぞれ違います。


