この記事のポイント
- コンサルに頼む場合と自社で取る場合の違いが分かる
- コンサルに任せられないこと(社内の役割、運用、審査での説明)が分かる
- コンサルを比べるときに確かめたい点が分かる
はじめさん


Pマークはコンサルなしでも取れる(先に結論)
Pマークは、コンサルに頼まなくても取得できます。JIPDECが紹介している付与事業者の講演レポートでは、従業者18名の会社が、コンサルタントを使わずに自社ですべての工程に対応し、取り組みの開始から約11か月で取得した事例が紹介されています(講演レポート(JIPDEC))。
一方で、コンサルに頼んでも、会社が自分でやらなければならないことは残ります。コンサルに頼むかどうかは、社内で使える時間と、自社でやること・任せることの線引きで考えるのがおすすめです。
コンサルに頼む場合と自社で取る場合の違い
コンサルに頼む場合
規程や様式のひな形の提供、スケジュールの管理、審査への備えなどを手伝ってもらえるため、社内の担当者の作業時間を減らせます。その分、支援の費用がかかります。
自社で取る場合
支援の費用はかかりませんが、担当者が構築・運用指針を読み込み、規程をつくり、運用の記録を整えるまでを自分たちで進めます。先の講演レポートの会社は、ガイドブック1冊と無料のセミナーなどで学びながら、フルタイムの社員4名でPMSを構築したと話しています(講演レポート(JIPDEC))。
同じレポートでは、その会社の感想として「自分たちで取ると大変だが、PMSへの理解が深まり、取得後の運用がスムーズになる」「コンサルに頼むと工数を減らせるが、費用とのバランスを見る必要がある」と述べられています。
比較表
| 比べる点 | コンサルに頼む | 自社で取る |
|---|---|---|
| 社内の作業時間 | 減らせる | 多くかかる |
| 外部への費用 | 支援の費用がかかる | かからない(書籍代などのみ) |
| 社内に残る知識 | 任せる範囲が広いほど残りにくい | 残りやすい |
| 自社でやること | 役割の担当、運用、審査での説明は自社 | すべて自社 |
審査機関に払う申請料・審査料・付与登録料は、どちらの場合も同じです。金額は「Pマーク取得の費用」でまとめています。






Pマークの取得・更新でお困りなら、まずはご相談ください。
コンサルに任せられないこと
管理者・監査責任者・申請担当者は自社の従業者
Pマークの申請では、申請担当者、個人情報保護管理者、個人情報保護監査責任者を、申請する会社の従業者から選びます。従業者以外の人は、この3つの役割を担えません(新規申請をお考えの方へのご案内)。
構築・運用指針でも、個人情報保護管理者と個人情報保護監査責任者は、会社の内部に属する人の中から、代表者などのトップマネジメントが指名することになっています。また、この2人は別の人でなければなりません(構築・運用指針 J.2.3.2)。
毎年の教育・内部監査・マネジメントレビューは自社で行う
PMSは、つくった後も続けて運用する仕組みです。構築・運用指針では、次のことを少なくとも年1回行うよう定めています(構築・運用指針)。
- 従業者への教育と、理解度の確認(J.4.3)
- 内部監査(J.6.2)
- 代表者などによるマネジメントレビュー(J.6.3)
教材の用意や進め方の助言は外部に頼めても、教育を受けるのも、監査を指揮して代表者に報告するのも、見直しを判断するのも自社です。






現地審査で説明するのは自社
現地審査では、審査員が代表者にインタビューし、申請担当者や個人情報保護管理者などにPMSの運用状況を確認します。個人情報を扱う現場でも、安全管理の対策が実施されているかが確かめられます(現地審査(JIPDEC))。
規程の内容や運用の記録について、その場で説明するのは自社の人です。審査で見られる点は「Pマークの審査で見られるポイント」で説明しています。
コンサルを選ぶときに確かめたい5つのポイント
上の「任せられないこと」を踏まえて、コンサルを比べるときは次の5つを確かめましょう。
支援の範囲(どこまで手伝ってもらえるか)
規程や様式のひな形の提供だけなのか、台帳づくりやリスクアセスメント、教育や内部監査の進め方、申請書類の準備、審査への備えまで手伝ってもらえるのかを確かめます。自社でやることと任せることの線引きを、契約の前にはっきりさせておくと安心です。
自社の業務に合わせた規程にしてくれるか
規程は、自社の実際の業務に合わせてつくります。規程と実際の業務が合っていないと、ルールどおりに運用できず、記録と規程が食い違います。ひな形をそのまま渡すだけでなく、自社の業務を聞き取って調整してもらえるかを確かめましょう。
取得後の運用・更新の支援があるか
Pマークは2年ごとに更新の審査があり、その間も教育や内部監査を続けます。取得までの支援だけなのか、取得後の運用や更新の申請も相談できるのかを確かめます。更新については「Pマークの更新手続きと費用」で説明しています。
費用に含まれるもの、含まれないもの
支援の費用に何が含まれているかを確かめます。審査機関に払う申請料・審査料・付与登録料は、支援の費用とは別に、会社が審査機関に払う費用です。訪問の交通費や、追加の作業が別料金になるかどうかも、見積もりの段階で聞いておきましょう。
少人数の会社の支援に慣れているか
従業者が少ない会社では、1人が複数の役割を兼ねることが多く、大きな会社と同じ規程では運用が回らないことがあります。自社と同じくらいの規模の会社を支援したことがあるか、少人数でも回る仕組みを提案してもらえるかを聞いてみましょう。少人数の会社の進め方は「従業員20名以下の会社がPマークを取るには」で説明しています。



監修者のひとこと
コンサル選びでは、初期費用だけでなく、取得後のサポート費用についても確認することをおすすめします。
コンサルに頼む前に使える無料の情報源
コンサルに頼むかどうか決める前に、無料で使える情報源もあります。
- JIPDECの取得・運用相談室:取得を検討している会社が、無料で相談できます。相談員は、規程や様式の具体的な内容ではなく、問題を解決するための考え方を助言します。コンサルタントの同席はできません(事業者のための取得・運用相談室)。
- JIPDECのセミナー:新規申請を目指す事業者向けのセミナーが開かれています(新規申請をお考えの方へのご案内)。
- 構築・運用指針:審査の基準になる指針を、JIPDECのサイトで無料で読めます(審査基準と構築・運用指針)。
PMSの全体像は「PMSとは」、取得までの流れは「Pマークの取得方法と流れ」で説明しています。
まとめ
- Pマークはコンサルなしでも取得できます。JIPDECも、自社で取得した少人数の会社の事例を紹介しています。
- コンサルに頼むと社内の作業時間を減らせますが、支援の費用がかかります。
- 個人情報保護管理者・監査責任者・申請担当者は自社の従業者が担い、教育・内部監査・マネジメントレビューは自社で年1回以上行います。
- コンサルを選ぶときは、支援の範囲、自社の業務に合わせた規程か、取得後の支援、費用に含まれるもの、少人数の会社への慣れを確かめましょう。









