この記事のポイント
- 少人数の会社がPマークを申請するための条件(2名以上など)が分かる
- 20名以下の会社の費用区分(小規模・中規模)と期間の目安が分かる
- 少人数で回せる体制の作り方と、進め方のコツが分かる
はじめさん


20名以下の会社でもPマークは取れる(先に結論)
Pマークは、会社の規模にかかわらず申請できます。申請に必要な人数の条件は、社会保険・労働保険に加入した正社員、または登記上の役員(監査役を除く)が2名以上いることです(申請資格)。
審査の基準になる構築・運用指針も、事業の種類や規模を問わず、すべての事業者に当てはめられるように作られています(構築・運用指針)。
ただし、少人数でも、大きな会社と同じように、規程をつくり、教育や内部監査を行い、記録を残す必要があります。少ない人数で無理なく回せる仕組みにすることが大切です。
Pマークそのものについては「Pマークとは」で説明しています。
少人数の会社が申請するための条件
最低2名(管理者と監査責任者は別の人)
2名以上が必要なのは、PMSに「個人情報保護管理者」と「個人情報保護監査責任者」が1名ずつ必要なためです(申請資格)。
構築・運用指針では、この2人を会社の内部の人から指名し、別の人にすることを求めています(構築・運用指針 J.2.3.2)。管理者が自分の運用を自分で監査することにならないようにするためです。
このほか、国内に活動拠点があること、法人単位で申請すること、欠格事由に当てはまらないことも条件です。
パート・アルバイトは管理者・監査責任者になれない
申請担当者、個人情報保護管理者、個人情報保護監査責任者は、申請する会社の従業者から選びます。従業者以外の人はなれません。また、パート・アルバイトの人は、個人情報保護管理者と個人情報保護監査責任者のどちらも担当できません(オンラインで申請する(新規))。












Pマークの取得・更新でお困りなら、まずはご相談ください。
20名以下の会社の費用と期間
小規模か中規模かは業種で決まる
審査機関に払う費用(申請料・審査料・付与登録料)は、事業者の規模で決まります。2026年10月1日以降の新規の申請では、合計で小規模事業者が336,600円、中規模事業者が690,800円(税込)です(費用)。
20名以下の会社でも、業種によって区分が変わります(事業者規模の区分)。
| 業種 | 小規模 | 中規模(20名以下の場合) |
|---|---|---|
| 製造業・その他(建設業、運輸業、不動産業なども含む) | 従業者2〜20人 | — |
| 卸売業 | 従業者2〜5人 | 従業者6〜20人 |
| 小売業(飲食店を含む) | 従業者2〜5人 | 従業者6〜20人 |
| サービス業 | 従業者2〜5人 | 従業者6〜20人 |
たとえば、従業者15人のサービス業は中規模です。従業者の数には、正社員だけでなく、役員、パート・アルバイト、派遣社員なども含みます。費用の詳しい内訳は「Pマーク取得の費用」でまとめています。
期間の目安
JIPDECは、準備から取得までの期間をおおむね6か月〜1年としています(プライバシーマークとは)。少人数の会社は扱う個人情報や業務が比較的少ない一方、担当者がほかの仕事と兼務していることが多いので、無理のない計画を立てることが大切です。
取得までの流れは「Pマークの取得方法と流れ」で説明しています。
少人数で回す体制の作り方
役割の分け方の例(3〜5名の場合)
PMSで決める主な役割は、次のとおりです。構築・運用指針の要件を満たしながら、少人数で分担する例を示します。
| 役割 | 主な仕事 | 担当の例 |
|---|---|---|
| トップマネジメント | 方針を決める、PMSに必要な人や予算を確保する、マネジメントレビューを行う | 代表者 |
| 個人情報保護管理者 | PMSの実施・運用の責任者。台帳、リスクアセスメント、教育などを進める | 実務をよく知る役員や正社員 |
| 個人情報保護監査責任者 | 内部監査を指揮し、代表者に報告する | 管理者とは別の役員や正社員 |
| 申請担当者・事務局 | 申請書類の準備、記録の整理 | 管理者が兼ねるか、別の正社員 |
JIPDECが紹介している講演レポートでは、従業者18名の会社が、取得の時点でフルタイムの社員4名のうち3名で、トップマネジメント、個人情報保護管理者、監査責任者を分担したと話しています(講演レポート(JIPDEC))。
内部監査で自分の部署を監査しない工夫
構築・運用指針では、監査員の選定と監査の実施で客観性と公平性を確保し、監査員に自分の所属する部署を監査させてはいけないとしています(構築・運用指針 J.2.3.2、J.6.2)。
少人数の会社では、たとえば次のように組み立てます。
- 監査責任者が、管理者の担当する業務や他の部署を監査する
- 監査責任者自身が担当する業務は、別の人を監査員にして監査する
どう組むのがよいかは会社の業務の分かれ方によって違うので、無理のない形を考えましょう。
代表者が関わる場面
代表者などのトップマネジメントは、方針を決め、PMSに必要な人や予算を確保し、少なくとも年1回のマネジメントレビューでPMSを見直します(構築・運用指針 J.2.1、J.6.3)。現地審査では、代表者へのインタビューもあります(現地審査)。
日々の実務は管理者に任せても、代表者が関わる場面があることは、最初に社内で共有しておきましょう。
少人数の会社が進めるときのコツ
大きな会社向けの規程をそのまま使わない
規程のひな形には、部署が多い会社を想定したものもあります。そのまま使うと、少人数では回らない手順や、実際にはない部署の役割が残ってしまいます。自社の業務の流れを書き出したうえで、規程を自社に合わせて直しましょう。PMSの全体像は「PMSとは」で説明しています。
安全管理の対策はリスクに合わせて決める
JIPDECは、安全管理措置は会社のリスクを分析した結果に応じて講じるもので、一律の対応が求められるのではないとしています(現地審査)。最初から高価な設備をそろえるのではなく、リスクアセスメントの結果から、自社に必要な対策を決めましょう。審査で見られる点は「Pマークの審査で見られるポイント」で説明しています。
担当者を決め、定期的に進み具合を確かめる
先の講演レポートの会社は、代表者が自ら指揮をとり、作業を細かく分けて担当者に振り、週1回などの定期的な進み具合の確認を続けたと話しています(講演レポート(JIPDEC))。ほかの仕事と兼務しながら進める少人数の会社では、責任者と期限をはっきりさせることが大切です。



外部の支援を考えている場合は「Pマークのコンサルの選び方」、取得後の更新については「Pマークの更新手続きと費用」もご覧ください。自治体によっては取得費用の補助制度があり、JIPDECの「新規申請をお考えの方へのご案内」に一部が載っています。
監修者のひとこと
小規模な企業ではPマークの準備をされる方が他の業務と兼任されることがほとんどです。コンサル会社に依頼する場合、どれだけ自社の担当者の工数がかかりそうか確認されることをおすすめします。
まとめ
- 従業員20名以下の会社でも、正社員または役員が2名以上いれば、Pマークを申請できます。
- 個人情報保護管理者と監査責任者は別の人で、自社の従業者(パート・アルバイトを除く)から選びます。
- 費用の区分は業種で変わり、20名以下でも中規模になることがあります。期間は準備から取得までおおむね6か月〜1年です。
- 少人数でも、内部監査で自分の部署を監査しないように役割を組み立てます。
- 規程は自社に合わせて直し、安全管理の対策はリスクに合わせて決めましょう。









